伏見稲荷大社は京都市伏見区にある「稲荷山」に建立された神社で、日本全国に3万社あるとされている稲荷神社=「おいなりさん」の総本宮。
朱い鳥居がいくつも連なる神秘的な「千本鳥居」が有名ですが、他にもさまざまなご利益のある、京都で人気のパワースポットの1つです。
今回は伏見稲荷大社の見どころと、周辺の気になるスポットをご紹介します!
1300年以上の歴史を持つ神社
伏見稲荷大社は建立が西暦711年、1300年以上の歴史を持つとされる神社。
稲荷神を信仰していた豊臣秀吉が、母の大政所(おおまんどころ)の病気治癒を祈願したとされる、霊験あらたかな神社です。
応仁元年(1467年)の「応仁の乱」によって多くの社殿が消失してしまいましたが、祈願が功を奏し、母の病状が回復したことを大変喜んだ秀吉が、天正17年(1589年)に再建したとされています。
他にも伏見稲荷大社の前を走る伏見街道(現在の直違橋通)は秀吉が造ったとされていますし、裏参道の近くにある「祢ざめ家(ねざめや)」の名前が秀吉の正室・ねねの名前から名づけられたなど、秀吉にゆかりのある神社だと言われています。
また伏見稲荷大社という名前は、五穀豊穣を意味する「稲が成る」が転じて「イナリ」となり、そこからこの名がついたといいます。
おいなりさんといえばきつねという印象を持たれがちですが、実はお祀りされている稲荷大神はきつねではありません。
稲荷大神の使いが白狐であり、稲荷大神とともに神聖な生き物として崇められ、境内のあちこちにお祀りされているのです。
さらに多くの動乱を耐え抜いた歴史を持つこの神社は、明治42年(1909年)本殿が国の重要文化財に指定され、 歴史的な背景もさることながら、商売繫盛や家内安全のご利益があるとされ、全国からたくさんの観光客や参拝者が訪れます。
伏見稲荷大社の見どころは?おススメのスポットをご紹介!
本殿周辺(楼門・外拝殿・内拝殿・本殿)
参道を進んで鳥居をくぐると見えてくるのが鮮やかな朱色の「楼門(ろうもん)」。 天正17年(1589年)に、豊臣秀吉が母の大政所(おおまんどころ)の病気治癒を祈願して寄進したとされる門で、その荘厳なただずまいは国の重要文化財にも指定されています。
さらに楼門の先にあるのが「本殿」と「外拝殿」「内拝殿」。 一見するとどれも同じように見えますが、本殿は神様がいらっしゃる場所、拝殿は人々がお参りするための場所と、それぞれ意味合いが違う建物です。
伏見稲荷大社の拝殿は、外拝殿は祭礼などの行事が行われる場所、内拝殿は本殿を参拝する場所と拝殿が2つに分かれているのも特徴的です。 本殿は応仁の乱によって一度焼失したものの、明応8年(1499年)に再建されました。
日本古来の檜皮葺づくりに唐破風の屋根が特徴的な大型の社殿で、室町時代から桃山時代に建立されたとされる本殿には、桃山風の豪奢な彫刻を見ることができます。 こちらも国の重要文化財に指定されています。
きつね絵馬と狛狐
伏見稲荷大社では、境内のさまざまな場所で「きつね」の像を見ることができます。
これは白いきつねが稲荷大神の使いであり、神聖な生き物として崇められているから。
楼門の前には狛犬のように向かい合わせてきつねの像がお祀りされていますし、他にもいろいろなポーズのきつね像が各所に鎮座されています。
口にくわえている物も五穀豊穣を表す稲穂や、宝物を収蔵する蔵の鍵、知恵を表す巻物など様々。
伏見稲荷大社だけの珍しい「狛狐」をチェックしながら参拝するのも楽しみの1つですね。
またこちらではなんと絵馬もきつねの形に!
逆三角形の絵馬にはキリっとしたつり目のきつねの顔が描かれています。
最初はシンプルなお顔立ちですが、奉納する人が自由に描き加えてOKなので、願い事に合わせて自分だけの絵馬を作ることができます。
また皆さんいろいろな表情の絵馬を描かれているので、すでに奉納されている絵馬を見るのも楽しいですよ。
伏見稲荷大社といえばココ!幻想的な「千本鳥居」
伏見稲荷大社で一番の見どころと言えばやはり「千本鳥居」。
幾つもの朱い鳥居が連なる姿は、なんとも幻想的で美しい光景です。
終日参拝可能な伏見稲荷大社ですが千本鳥居は夜行くと雰囲気が少し怖いんです。
千本鳥居のそれぞれの鳥居には220~30cmの隙間があり、その隙間の奥、鳥居のトンネルの外側が暗くて何も見えないため何とも不気味です。
しかしなぜこんなにもたくさんの鳥居があるのか不思議でもあります。
これは江戸時代以降に「願いが通った」ということが広まり、全国から多くの商売人がお稲荷様への感謝として鳥居の奉納が広まったため。 現在では境内に約1万基(千本鳥居は800基)を超える鳥居が並んでいるそうです。
ちなみにこの鳥居の朱色にも意味があり、「希望」「生命」「大地」「生産の力」を表現しているとされ、伏見稲荷大社で使用されている朱色は「稲荷塗」とも呼ばれるそうです。
おもかる石「奥社奉拝所(奥の院)」
千本鳥居を抜けた先にある「奥社奉拝所(奥の院)」。
この奥社奉拝所や、少し先の三ツ辻(みつつじ)までで参拝を終えて折り返す方が多いそうですが、実際は境内はかなり広くまだまだ先があります。
実は伏見稲荷大社は稲荷山全体が信仰の対象となっており、奥社奉拝所はこの稲荷山をめぐる「お山めぐり」のスタート地点にもなっています。
さらに奥社奉拝所の右側後ろにあるのが有名な「おもかる石」。 見た目は普通の石灯篭ですが、この灯篭に載っている石を持ち上げて、思っていたより軽いと感じれば願いが叶い、重いと感じれば願いが叶うのは難しいという、占いのような意味を持つ石です。
稲荷山(お山めぐり)
伏見稲荷大社と言えば、千本鳥居やおもかる石のある奥社奉拝所が有名ですが、実はその奥にある「稲荷山」全体の信仰の対象となっており広大な神域が広がっています。
この稲荷山の各所に設けられたお社やパワースポットをお参りすることを京都では「お山めぐり」といいます。
ここではお山めぐりの中でも特におススメのスポットをいくつかご紹介します。
(※画像は「四ツ辻」の分岐から一周して30分かかるという案内図。本殿から四ツ辻までは35分程度かかります。)
健康運UP?根上がりの松
千本鳥居を抜けてすぐの場所にある「根上がりの松」。
松の木の根が地表に出ていることからこの名がついたそうで、松の木の表面をなでてから自分の体の治したい部分をなでるか、根っこをくぐると体の悪い部分が治ると言われています。
また「根が上がっている」というその姿から、語呂合わせで「株や証券の値が上がる」とも言われ、証券を扱う方や経営者の方などにも人気のある場所となっています。
探し人が見つかる?不思議な新池(こだま池)
根上がりの松からもう少し歩くと、山頂へ続く道と本殿へ戻る道の分かれ道に出てきます。
ここで山頂方面へさらに進むと見えてくるのが「熊鷹社(くまたかしゃ)」で、その後方にあるのが「新池」。
この池には「手をたたいてこだまが返ってきた方向に行方を探している人の手がかりがある」という言い伝えがあります。
この不思議な伝説から別名「こだま池」とも呼ばれるそうです。
美しい景観とお茶屋さんでひと休み。四ツ辻
熊鷹社や三ツ辻から15分ほど進んだ先にあるのが四ツ辻。
実は稲荷山では山頂付近から景色を見ることができないので、お山めぐりの道中で唯一と言える見晴らしの良い場所になっています。
またベンチが設けられていたり「にしむら亭」というお茶屋さんがあったりと、ゆっくりと休憩できる場所でもあります。
眼にちなんだご利益が?眼力社
眼力社(がんりきしゃ)は、四ツ辻から時計回りに進んだ先にあるお社で、眼にまつわる神様がお祀りされています。
「眼の病気が良くなる」「先見の明を見通す眼力を授かる」眼力=願力から「入試や就職のご利益がある」とされています。
目の健康はもとより、先見の明を養えるということから、経営者の方や事業者の方など、商売に携わる方にも人気のスポットです。
霊験あらたかなご神水を頂く。薬力社
眼力社から約10分ほど歩いた所にある薬力社(やくりきしゃ)には、薬力大神という神様がお祀りされています。
薬効・無病息災・健康長寿など、その名の通り薬や健康に関するご利益があるとされており、
今では珍しい境内の手押しポンプで、その井戸からくみ上げたご神水で薬を飲むと効果が上がると言われています。
また薬力社の向かいには薬力亭というお茶屋さんがあり、ご神水を使用して作られたゆで卵「薬力健康たまご」や「薬力コーヒー」など、ご神水のご利益を頂けるメニューが揃っています。
この他にも、約3メートルもの大きな劔石(つるぎいし)がお祀りされている「御劔社(みつるぎしゃ)」や、山頂に佇む「一ノ峰上社(いちのみねかみしゃ)」など、見どころの多いお山めぐり。 標高233メートル・4キロほどの行程で、多少のアップダウンもあるため初心者には少しハードルが高いように思えますが、訪れてみたいスポットがたくさんあるので、脚に自信のある方はぜひ挑戦してみてください。
所要時間は休憩を含めて3~4時間程度、山頂付近にはトイレもないようなので、あらかじめトイレの場所を確認しておく、スニーカーなどの歩きやすい靴にする、水分補給のための飲み物を用意するなど、事前にしっかり準備しておけば安心ですね。
伏見稲荷大社周辺の魅力的なグルメスポット!
すずめの丸焼きで有名「お食事処 稲福」
伏見稲荷大社の裏参道にはたくさんのお店が並んでいますが、1923年(大正12年)創業の「お食事処 稲福」には、かなり独特な変わり種メニューがあります。
それはなんとすずめの丸焼き!
実はすずめの丸焼きとうずらの丸焼きは、伏見稲荷の名物として有名なんです。
すずめを食べるようになった理由には「五穀を食べ荒らしてしまうすずめを退治する」とか「懲らしめるため」といった説もあれば、「神様(伏見稲荷大社)へのお供えもののおさがりを頂く」といったものまで、いろいろな説があるようです。
裏参道にはいくつかすずめを提供するお店がありますが、ここ稲福ではすずめが店頭で焼き上げて販売されており、店先にはたっぷりのたれをまとった焼き鳥の香ばしい匂いがたちこめています。
すずめは本当にまるごと焼かれていてその姿はかなり衝撃的ですが、数量限定でなかなか食べられない貴重なものなので、運よく食べられそうならぜひチャレンジしてみてください。
またこちらには、そばやうどん、いなり寿司などの一般的なメニューもありますよ。
【住所】京都市伏見区深草開土町2-4
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】火曜日
【TEL】075-641-3696
伏見稲荷大社の御朱印
御朱印受付場所は下記の4カ所です。
本殿朱印受付(本殿左)
受付時間は8:30~16:00。
「伏見稲荷大社」の御朱印が頂けます。奥社奉拝所(本殿から徒歩5~10分)
受付時間は8:30~16:00。
「伏見稲荷大社 奥社」の御朱印が頂けます。御膳谷奉拝所(本殿から徒歩50分の稲荷山にある)
受付時間は9:00~15:45。
「伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所」の御朱印が頂けます。※一般的な御朱印には右上に「奉拝」という文字が書かれていますが、こちらの御朱印は少し変わっていて、山を登ることを意味する「登拝」という文字が書かれています。
これは御朱印を頂く授与所が稲荷山にあり、山を登らないといけないため。伏見神宝(ふしみかんだら)神社(奥社奉拝所近く。伏見稲荷大社内の別の神社)
受付時間は16:00まで。
龍の印が押された「伏見神宝神社」の御朱印が頂けます。
朱印料(初穂料)
いずれも1体300円。 御朱印の受付時間は8:30~16:00ですが、時期によって変更される場合があるので、事前にホームページなどで確認しておく方がいいでしょう。
本殿~奥社奉拝所~御膳谷奉拝所~伏見神宝神社の間にはかなり距離があり、全て回るには2~3時間程度かかる場合があります。
4つ全ての御朱印を頂くのであれば、受付終了時間と日没の時間を考え、時間に余裕をもって計画しましょう。
伏見稲荷大社の境内案内図
伏見稲荷大社の境内案内図です。
稲荷山のお山めぐりコースでは、分岐点の四ツ辻から一周の所要時間は約30分です。本殿から四ツ辻までは約35分かかります。
また、伏見稲荷大社の正面にはJR奈良線の「稲荷」駅があり、電車を降り徒歩2秒という超駅近です。
24時間利用できる175台が停められる、キレイに舗装された広大な無料駐車場も完備しているのでアクセス抜群です。
さらに伏見稲荷大社は稲荷山を含めて全て参拝料が無料なので、その分境内や稲荷山のお店でお土産を買ったり飲食を楽しんだりできますね。
伏見稲荷大社付近に残る京都市電の痕跡
伏見稲荷大社付近の路地や住宅街には、当時京都駅から多くの参拝者を運んだとされる今は無き京都市電の痕跡があちこちにみられます。
このレールは100年以上前の1904年に開業した、京都市電の稲荷線の当時の稲荷停留所の廃線路の名残で、2020年1月の公園のバリアフリー化に伴う土木工事で発見されました。
路地情報
路地名 | 伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ) |
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住所 | 〒612-0882 京都市伏見区深草薮之内町68番地 |
最寄駅 | JR奈良線「稲荷」駅 京阪本線「伏見稲荷」駅 |
アクセス | 【電車でのアクセス】 ・JR奈良線「稲荷」駅下車すぐ(京都駅より約5分) ・京阪本線「伏見稲荷」駅下車。東へ徒歩5分 【バスでのアクセス】 ・京都市営バス「京都」駅「C4」のりばより、南5号系統に乗車。 「稲荷大社前」バス停で下車し、東へ徒歩7分。料金は230円。 【車でのアクセス】 ・名神高速道路「京都南」インターから約20分 ・阪神高速道路「上鳥羽」出口から約10分 【駐車場(境内入り口)】 無料で24時間利用可能。収容台数175台。 ※土・日・祝日は混雑する場合も。 また年末年始期間中はこの駐車場は閉鎖され、臨時駐車場を利用することになるので要注意。 こちらの駐車場が利用できない場合は、現場係員の方の指示に従ってください。 |
おすすめの時間 | 【拝観時間】24時間(終日参拝可能) ※ただしご祈祷は8:30~16:30まで(受付は祈祷受付で16時まで)。 本殿横の授与所(おみくじやお守りを取り扱う場所)は7:00~18:00まで。 いずれも初詣機関やお祭りの時など、時期によって時間の変更があるので、その都度確認を。 |
【定休日】なし(年中無休)
【拝観料】無料
【専用駐車場】無料
※水洗トイレあり
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