京都嵐山付近にある「車折神社」(読み方:くるまざきじんじゃ)。
車折神社には芸能の神様がお祀りされており、芸事にご利益があるとされる神社ですが、芸能祈願はもちろん他にもさまざまなご利益があります。
そこで今回は京都のパワースポットとしても人気の高い、車折神社の歴史や見どころなどをご紹介していきます。
車折神社の歴史
車折神社の歴史は、この神社の御祭神で儒学者の「清原頼業(きよはらよりなり)」が、1189年(文治5年)に逝去されたことから始まります。
この場所には頼業の「御廟(ごびょう)=お墓」が建てられ、頼業の法名「宝寿院(ほうじゅいん)殿」から、宝寿院という名のお寺ができたそうです。
しかし室町時代になり足利尊氏によって嵐山に「天龍寺」が建立されると、宝寿院はその末寺
(「読み方:まつじ」とは、本山の支配下にあるお寺のこと)
になってしまいました。
鎌倉時代の天皇・後嵯峨天皇が嵐山に滞在した際、この場所で牛車の轅(ながえ)という部分が折れ、牛車が動かなくなってしまったそうです。
その場所を調べてみるとそこは頼業を祀った祠があった場所。
仏教信仰に厚かった後嵯峨天皇はその御神威を畏れ、門前右側にあった石を「車折石(くるまざきいし)」と呼び、故人である頼業公に「車折大明神」の神号を贈りました。
これが、天龍寺の末寺である宝寿院が車折神社と呼ばれるようになったきっかけだったと言われています。
車折神社はお寺から神社へ生まれ変わった、少し変わった経緯を持つ神社なのです。
また御祭神である清原頼業は天武天皇の皇子・舎人親王の子孫にあたる人物で、平安時代末期には高倉天皇に仕えていました。
その豊富な知識と実務の手腕はかなりのもので「その才、神というべく尊ぶべし」と称えられたほどで、
聡明な儒学者だった頼業は学徳があったこと、さらに「約束を違えない神様」として信仰されていることから、学業成就・試験合格・商売繁盛・恋愛成就・良縁・厄除け・金運UPなど、さまざまなご利益があると言います。
そのため、車折神社は京都でも有名なパワースポットとして知られています。
車折神社の見どころとバラエティに富んだご利益
心身を浄化してくれる「清めの社」
見どころの多い車折神社ですが、参拝の際にはまず石鳥居の近くにある「清めの社」に向かいます。
お社の中央には「立砂(たてずな)」をモチーフにしたとされる、円錐形の大きな石がお祀りされています。
立砂はご神体が降臨したとされる神山の姿を模した砂山で、この場所に神様が引き寄せられるという、いわゆる「パワースポット」。
清めの社にお祀りされている巨石にも、悪い運気や悪縁を浄化し、良い運気・良縁へ導いてくれる不思議な力があるそうです。
本殿へ向かう前にまずはこちらで心身ともに清めて頂きましょう。
また「清めの社」の写真を身につけていると運気があがると言われていて、携帯の待ち受け画面にしている人も多いそうです。
神秘のパワーストーン「祈念神石」
「祈念神石(きねんしんせき)」とは、神主様がお祓いされた石が入ったお守りのことで、
どんな願いも叶えてくれるパワーストーンとして人気です。
祈念神石には「お守り型」と「お札型」があり、手水舎の向かいにある社務所で購入できます。
祈念神石を頂いたらそのまま本殿へ向かい、そこでご祈願します。
お参りする際は祈念神石を両手で挟んで持ち、心の中で願い事を強く念じましょう。
その後お守りは通常のお守りと同じように、かばんや財布などに入れて常に身につけておくようにして、
お札は神棚や自分の目線より高い場所に置いて毎日ご祈願してください。
また、このパワーストーンのお守りには「願いが叶ったら石を返す」という、少し変わったルールがあります。
もし願いが叶った場合は、自宅近くや海・川・山などで拾った石にお礼の言葉を書いて、本殿付近にある拝殿の前に設けられた返納場所にその石を納めます。
神社で頂いた祈念神石も本殿横の「古いお守りを返す箱」に返します。
つまり願いが叶ったら祈念神石と自分が拾ってきてお礼の言葉を書いた石の2つを返納しないといけないということです。
遠方の方は、郵送での返納も可能だそうです。
祈念神石のお参りの手順については、境内の看板や神社のホームページにも掲載されているので、気になる方は一度確認してみてください。
隠れた名所「本殿・拝殿」
車折神社というとズラリと並んだ「玉垣」や、神秘的な「清めの社」、パワーストーンとされる「祈念神石」などが有名ですが、本殿や拝殿も隠れた名所になっています。
「本殿」はご祭神である清原頼業公がお祀りされている神聖な建物。
平成26年に全面改修されたものの、細かな部分は以前のまま残されており、
神社でありながらどこかお寺のお堂に似た造りが確認できます。
また本殿前にある「拝殿」はご祈祷や神事を執り行う建物で、拝殿前には祈念神石のお礼の石を返納する場所が設けられています。
さらに拝殿の賽銭箱の上には、「花天井」と呼ばれる美しい天井画が全部で36枚あり、
そこに描かれているのは百合・アジサイ・菊などの花の他、スイカやカブといった野菜、魚や鳥などの動物など
たくさんの生き物が生き生きと描かれた様子はなかなか見ごたえがあります。
制作時期は不明ですが、作者は文化勲章を受章した画家・山口華楊(やまぐちかよう)の兄で、こちらも画家の山口玲煕(やまぐちれいき)氏です。
多くの芸能人が訪れるパワースポット「芸能神社」
車折神社といえば「芸能神社」。
芸能や芸術に関するご利益があるとされ、ミュージシャンや俳優・女優など芸能人はもちろん、書道家や画家といったアーティストにも人気のある神社です。
多くの芸能人やアーティストが訪れる芸能神社では、さまざまな人物の名前が書かれた朱色の立て板「玉垣」も見どころの1つで、
参拝に訪れた人がご利益を得るために玉垣を奉納、現在数千枚の玉垣が奉納されています。
全国から「推し」の玉垣を見るために訪れるファンも後を絶ちません。
なお社務所で手続きをすれば、芸能人だけでなく一般の方でも玉垣の奉納は可能で、芸術関連の仕事やアーティストの方にも人気です。
そんな芸能神社の起源についてはあまり定かではないものの、境内の北に古くからあった祠が昭和32年に現在の場所に移され「芸能神社」として祀られたのが始まりとされています。
こちらのご祭神は「天宇受売命(あめのうずめのみこと)」という女性の神様で、
その昔、天照大御神(あまてらすおおみのかみ)が天の岩戸に隠れてしまった際に外へ連れ出すため、岩戸の前で魅力的な舞を披露したという伝説があります。
この出来事から古くより芸能・芸術の祖神として崇められているそうです。
また芸能神社を参拝する時に注意したいのが「芸能神社は車折神社の末社である」ということ。
同じ敷地内にあるので勘違いしやすいですが、車折神社と芸能神社は同じではありません。
いわば親(車折神社)と子(芸能神社)のような関係なので、芸能神社を参拝する際はまず車折神社から先にお参りするのがマナーとなっています。
才色兼備のご利益があるかも?「清少納言社」
車折神社には他にもいろいろなお社がありますが、その中でも珍しいのが「清少納言社」。
清少納言をお祀りする神社は日本でここだけと言われています。
清少納言は平安中期に活躍した女流作家で「枕草子」の作者として有名ですが、その生い立ちや生涯について明らかになっていない部分も多く、お墓の場所などもはっきりしていません。
そこでご祭神である清原頼業公と同族(清原氏)であったことから、頼業公とゆかりのあるこの地に祠を建てお祀りすることになりました。
平安時代に天皇に仕えた才女で、容姿端麗であったとされる清少納言。
清少納言社では彼女の知性と美しさにあやかり、才色兼備のご利益を授かれるそうです。
こちらでは「才色兼備お守り」もあるので、知性と美しさに磨きをかけたい女性はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
「推し活お守り」で神席ゲット
多種多様なお社がある車折神社はお守りもバラエティ豊富ですが、なんと推し活をサポートしてくれる「推し活お守り」なるものがあります。
これは車折神社とタワーレコードがコラボして生まれたお守りで、アーティストなど推しのライブの神席が当たる、舞台のチケットに当選するといったご利益があるとされています。
ご神体も入った由緒あるお守りは車折神社できちんとご祈祷されたもので、実際にご利益があったという声もあるそうです。
これまで芸能人・アーティストに向けたお守りはあったものの「ファンを応援するお守り」は初めてで、SNSでも反響が大きかったそうです。
カラーバリエーションは全9色で推しのイメージカラーにも合わせやすく、ビビットなカラーはカバンに付けて持ち歩いてもオシャレ。
お守りを神社で直接受け取れない方は、全国のタワーレコード各店、もしくはタワーレコードオンラインでも頂くことができます。
ご利益を授かるには常に持ち歩いた方がいいですが、難しい場合は家の中の明るく高いところに飾っておくといいそうです。
一般的なお守りは願いが叶った時に神社にお返しすることが多いようですが、推し活お守りは願いが叶ったかどうかには関係なく、頂いてから1年経った時点で新しいものと取り替える習わしになっているので、
古いお守りは車折神社の本殿横「古いお守りを返す箱」にお返しし、新しいお守りは社務所で頂きましょう。郵送での返納も可能です。
他にもさまざまなご利益があるお社が!
車折神社には芸能神社や清少納言社の他にも、さまざまなご利益があるお社があります。
それは本殿の裏にある「八百万神社(やおろずじんじゃ)」で、あらゆる神々(八百万の神々)をお祀りしているという神社。
八百万の神々との広大なつながりにあやかって「人脈拡大」のご利益があるとされています。
ビジネスで人脈を広げたい、仕事上のネットワークを広げたいといった方におススメのスポットです。
また表参道の神門近くには龍神様をお祀りする「水神社」があります。
その昔大堰川がこの周辺まで流れていた頃、川の氾濫を鎮めるため水の神様(=龍神様)にご祈願していたことに由来する神社で、
龍神様の強大な力にあやかり「昇竜」のごとく運気がUPするというご利益があるそうです。
運気の向上をご祈願した「龍頭ストラップお守り」も授与されています。
車折神社でおススメのランチはココ!周辺のグルメスポット
京都で人気の観光名所、嵐山エリアにある車折神社。 嵐山周辺にはグルメスポットがたくさんあります。
車折神社の裏参道を出てすぐの場所には「八十八良葉舎(はとやりょうようしゃ)」というオシャレな抹茶スタンドがあり、車折神社から徒歩約2分の三条通り沿いには「明星咖厘(みょうじょうカレー)」という本格スパイスカレーのお店があります。
また少し足をのばして嵐山方面へ向かうと「嵐電嵯峨」駅から徒歩1分の場所に「カフェスタイルリゾート嵯峨野湯」が。 大正時代の銭湯をリノベーションして作られたカフェで、レトロな雰囲気を残しつつ、細部にまでデザインにこだわったオシャレな店内が女性に人気のお店です。
八十八良葉舎
「八十八良葉舎」は、嵐電(京福)「車折神社駅」を降りてすぐ、車折神社の西側に2019年オープンした抹茶スタンド。
いわばコーヒースタンドの抹茶版です。
2坪ほどの小さなお店ですが、日本茶インストラクターの店主が手がける本格的な抹茶や抹茶ラテ、抹茶スイーツなどが頂けます。
使用する抹茶は京都府内で手摘みされた最高品質のもので、個性的な7種の抹茶がラインナップされています。
茶釜を使用し伝統的な手法で丁寧に入れられた抹茶は、薫り高く苦みの中に甘みも感じる格別な1杯に。
注文を受けると抹茶を点てるところから始めるので、提供までに若干時間のかかる場合もありますが、時折走る嵐電の車両を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすのもいいかもしれませんね。
【店名】八十八良葉舎(はとやりょうようしゃ)
住所:京都市右京区嵯峨朝日町22-66
電話番号:075-881-1881
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
※営業時間・定休日は変更となる場合があるので、来店前に店舗へご確認ください。
明星咖喱
車折神社から徒歩約2分、三条通り沿いのビルの一画にある「明星咖喱」は、スパイスカレーのお店。
おしゃれな店内は元家具職人の店主が自ら手がけたもので、木のぬくもりがあふれる落ち着いた雰囲気になっています。
体にいいものを目指して作られたというスパイスカレーは、スパイスが効きつつも野菜のうまみを活かした優しい味わい。
個性的なカレーは常時3種類用意されていて、あいがけできるシステムになっています。
3種あいがけにしても1,000円ちょっとなので、お財布にも優しいカレーですね。
また「もっと辛みがほしい!」という方のために一味唐辛子を燻製にしたという自家製スパイスもあり、自分好みにカスタマイズできるのもうれしいところ。
車折神社参拝時、ランチに立ち寄りたいお店の1つです。
【店名】明星咖喱(みょうじょうカレー)
住所:京都市右京区嵯峨明星町31-4-1 嵐山ビューハイツ1F
電話番号:075-366-3016
営業時間:11:00~15:00(ラストオーダー14:30)/18:00~22:00(ラストオーダー21:00)
定休日:水曜日・日曜ディナータイム
※営業時間・定休日は変更となる場合があるので、来店前に店舗へご確認ください。
菜の介
「菜の介」は車折神社の南側、嵯峨美術大学の前にある小料理屋さん。
夫婦2人で営むこじんまりとしたお店ですが、大将が自ら釣り上げた天然の鮎、季節の野菜など、旬の食材を使用した京料理が頂けます。
鮎はその新鮮さからシンプルに塩焼きで、他にも天然の「あまご」や山菜、豆腐や湯葉を使った「おばんざい」など、京都らしいメニューが頂けます。
大将もおかみさんも気さくな人柄で話しやすく、ゆったりとリラックスした時間を過ごせます。
大通りから入った少しわかりずらい場所にありますが、そのおかげで隠れ家的な雰囲気のお店になっています。
【店名】菜の介(さいのすけ)
住所:京都市右京区嵯峨五島町1-59
電話番号:075-882-8012
営業時間:11:30~14:00/17:30~22:00
定休日:水曜日・月1回木曜日・12/30・12/31・1/1
カフェスタイルリゾート嵯峨野湯
「嵐電嵯峨」駅から徒歩1分圏内にある「カフェスタイルリゾート嵯峨野湯」。
大正時代の銭湯をリノベーションして作られたカフェで、レトロな雰囲気を残しつつ、細部にまでデザインにこだわったオシャレな店内が女性に人気のお店です。
外観は銭湯そのもの、店内にも壁のタイルやカランなど当時のものを残し
【店名】カフェスタイルリゾート嵯峨野湯
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺今堀町4-3
電話番号:075-882-8985
営業時間:11:00~18:00(ラストオーダー17:30)
定休日:不定休
※営業時間・定休日は変更となる場合があるので、来店前に店舗へご確認ください。
路地情報
路地名 | 車折神社(くるまざきじんじゃ) |
---|---|
住所 | 〒616-8343 京都市右京区嵯峨朝日町23番地 |
最寄駅 | 嵐山本線「車折神社駅」下車すぐ |
アクセス | 【電車でのアクセス】 ・阪急電車の場合-阪急電車(京都線)大宮駅で下車し、嵐電「四条大宮駅」で嵐電(京福)に乗り換え。嵐山本線「嵐山行」に乗車し「車折神社駅」下車すぐ。(四条大宮駅からの所要時間は約20分。料金は220円) ・JRの場合-JR京都駅で30・31・32番線ホームから、山陰本線「亀岡方面行」に乗車。「嵯峨嵐山駅」で下車し「嵐電嵯峨駅」で嵐電(京福)に乗り換え。嵐山本線「嵐山行」に乗車し「車折神社駅」下車すぐ。(JR京都駅からの所要時間は約30分。料金は460円) ※嵐電「車折神社駅」の目の前が神社の裏参道入口になっており、すぐに参拝できるので電車でのアクセスがおススメです。 ※JRを利用する場合「嵯峨嵐山駅」と「嵐電嵯峨駅」が少し離れているので、乗り換えの際は時間に余裕をもって移動しましょう。(徒歩で約5分) 【バスでのアクセス】 ・京都駅から-中央改札を出てすぐのバスターミナルから、京都バス「B6」のりばより71番「大覚寺行」、72番「清滝行」、73番「苔寺行」いずれかに乗車。「車折神社前」バス停で下車。(京都駅からの所要時間は約40分。料金は230円) ・三条京阪から-京都バス63番「苔寺・すず虫寺行」もしくは京都市営バス11番「四条河原町・嵐山行」いずれかに乗車。「車折神社前」バス停で下車。(京都駅からの所要時間は約40~50分。料金は230円) ※京都バスと京都市営バスは違う路線のバスなのでご注意ください。 【タクシーでのアクセス】 ・JR京都駅の中央改札を出て右側、タクシー乗り場から乗車。(京都駅からの所要時間は約20分。料金は2,500円~3,000円程度) ※タクシーでの移動は渋滞に巻き込まれた場合、所要時間も料金も変わることがあります。 【駐車場/三条通り側(表参道側)を入って右側奥】 9:30~16:30まで無料で利用可能。収容台数30台。 ※社務所は17:00まで開いていますが、駐車場は16:30で閉門されてしまうのでご注意ください。 |
おすすめの時間 | 【拝観時間】9:30~17:00 |
【定休日】なし(年中無休)
【拝観料】無料
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