京都市山科区の琵琶湖疏水沿いにある「吉祥山宝塔院 安祥寺」(きちじょうさんほうとういん あんしょうじ)は、
京都に都が遷されて平安時代となった50年後の
嘉祥元年(西暦848年)に
弘法大師の孫弟子の恵運(えうん)によって
開創(※かいそう:新たに寺を開き創建創すること)されました。
かつては山科一帯に広大な寺域を有した歴史の古い由緒ある寺ですが、檀家もおらず衰退し、普段は門も閉ざされ参拝できない状態でした。
しかし、2019年に五智如来坐像(ごちにょらいざぞう)が国宝指定されたのをきっかけに、
藤田瞬央住職(※)やボランティアによって復興が始まり、現在、特別公開時期には門が開き参拝できる状態となっています。
(※大学教授も務めた親戚の前住職から引き継ぎ、2018年に兵庫県朝来市の金剛院住職でもある藤田瞬央住職が安祥寺の住職として入る)
ちなみに、五智如来坐像は多宝塔が焼失した明治期以前から現在も京都国立博物館に寄託されたままとなっていますが、
重要文化財のご本尊「十一面観音菩薩立像」(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう)は、本堂に祀られています。
十一面観音菩薩立像は、像の主要部分を一つの材から作る「一木彫像」で、制作時期は何と奈良時代に遡るとさる大変貴重なご本尊です。
特別公開日程
特別公開では、 観音堂、地蔵堂、大師堂、青龍殿、五智遍明庭、 2019年に国宝指定された五智如来坐像(ごちにょらいざぞう)の祀られていた多宝塔跡、蘚苔蟠龍、地蔵堂天井画など境内全域の他、 十一面観音菩薩立像(※重要文化財)が観音堂内で間近で見物できます。
10月・11月の拝観時間は、9:00~16:30(受付16:00まで)です。 入山拝観志納料として、大人500円、中学生以上400円(小学生以下は無料)が必要です。
2024年の特別公開は12月1日(日)が最終日です。 まだ正式には公開されていませんが、2025年も3月ごろから特別公開される見込みです。
観音堂(本堂)
重要文化財のご本尊「十一面観音菩薩立像」が祀られる本堂は、江戸時代に再建されました。
青龍殿
2021年に行政の支援などで、青龍大権現をまつる「鎮守 青龍殿」を修復しました。 庭には雌雄の龍に見立てた苔を配置した苔庭(「蘚苔蟠龍:せんたいばんりゅう」と命名)が作られました。
地蔵堂
江戸時代に再建された地蔵堂です。鎌倉時代作とみられる彩色された「地蔵菩薩坐像」が安置されています。
大師堂
こちらも江戸時代に再建された大師堂。 中央に宗祖弘法大師座像、 左右には恵運僧都、11世・宗意上人、21世・興雅上人、22世・宥快上人の4人の彩色された坐像が安置されています。
多宝塔跡
五智如来坐像の祀られていた多宝塔は明治39年11月に原因不明とされる火事で焼失し、現在では建物の土台となる基壇や礎石が残っています。
前述のように五智如来坐像は多宝塔消失前に京都帝室博物館(現在の「京都国立博物館」)に寄託され、難を逃れています。
弁天社
大正14年(1925年)に再建された弁財天を祀る「弁天社」。 本殿の正面の柱間が一間しかない「一間社流造」(いっけんしゃながれづくり)となっています。
客殿前の五智遍明庭
客殿からは2024年に完成したばかりの、五智如来に見立てた五つの巨石や白砂などを配置した五智遍明庭(ごちへんみょうてい)を眺められます。
境内横には、こちらも2024年にオープンしたばかりの寺菓房(せむい)があり、 美しい庭園を眺めながら、ご住職の娘さんである管理栄養士の資格をもつ藤田絵理さんの手作りお菓子を楽しめます。
路地情報
路地名 | 安祥寺(あんしょうじ) |
---|---|
住所 | 〒607-8406 京都府京都市山科区御陵平林町22 |
最寄駅 | JR東海道本線「山科」駅 市営地下鉄東西線「山科」駅 京阪京津線「京阪山科」駅 |
アクセス | JR東海道本線「山科」駅から徒歩10分 市営地下鉄東西線「山科」駅から徒歩10分 京阪京津線「京阪山科」駅から徒歩10分 |
おすすめの時間 |
京都旅行はJRと宿泊がセットになった日本旅行の予約サイトがリーズナブルでお得です!お手軽に京都の魅力を体験してください。
日本旅行の予約サイトは
↓こちら
から↓
(※本ページはプロモーションが含まれています。)
- 広告
- 広告